ハイブランドの【サステナブルファッション】への取り組み

ステラ・マッカートニーといえば、動物の毛皮やレザーを使わないという事で有名だ。

ハイブランドにおいて単価のかせげる毛皮やレザーをやらないのはビジネスとしては

後ろ向きに思えるものだ。 

エルメス、ルイヴィトン、シャネルで皆が欲しいものは、正直リッチなレザーや毛皮なのである。 

しかし2001年創業以来、彼女の徹底した哲学はファッションという手段を使って実際の行動、問題提起をしてきた。  


【押し付けがましくなく、美しく、ファッショナブル】なスタイルで


なんてスマートなんだろう!と感心します。 

たとえサステナビリティに興味がないお客様が購入されたとしても、少しづつ彼女のビジョンに近いづいている事は間違いない。  

結果そうなれば言葉だけでアピールしているよりもよりもゴールに近くなるのだ。


ステラ・マッカートニー

「私は『ステラ マッカートニー』のコミュニティーが、サステナビリティのためにラグジュアリーな魅力を妥協する必要は決してないと信じている』 


そう、美しくないとラグジュアリーでないと賛同はしてくれないのである


フィロソフィーのために才能をいかし商品を受け入れてもらうこと。

理想的なサステナビリティと言えると思う。


そんなステラ・マッカートニーの新素材ニュース

引用:WWD  https://www.wwdjapan.com/articles/1193521

"「ステラ マッカートニー」もキノコの菌から作った人工レザーの服、「エルメス」も先日発表"

『マイロ』 という キノコ類の菌糸体(マイセリウム)から生まれた有機物レザー??

レザーという表現も変ではあるが、、、。

見た目、しなやかさ、あたたかみはまるでレザーだそうである。

菌糸は土壌地下で生育し、森林の有機物をリサイクル。植物や樹木に栄養を供給するのに役立つ広大な菌糸のネットワークを形成するそうである。 


こういうの、サステナビリティというムーブメントが無かったら見向きもされなかったはず。 時代が生み出したすばらしい開発だと思う。



マイロ™️はカリフォルニア州エメリーヴィル拠点の企業

【ボルト・スレッズ(Bolt Threads)社】

・木くずやおがくず、空気、水を用いて「マイロ」を作成する。

・環境への影響を最小限に抑えるように14日以内に製造できるようデザインされている

・遺伝子操作は行わない

・皮革を生産す(牛革)かかる環境負荷(畜産における温室効果ガス、牧草栽培、皮革生産工程)の中でも水の消費と汚染が問題。 未来に向けこれを解決する手段の一つととしてなりうる

引用: https://www.mylo-unleather.com



引用: https://www.mylo-unleather.com

引用: https://www.mylo-unleather.com

確かにレザーに見える!

しなやかさのタッチをいかしたスエード風や、ラステッックなクラッキングレザーもあるようだ。  非常に楽しみな素材です。

サイトで紹介している有機物生成過程はまるでSF映画のようでかっこいい。

ファッションに使うならやはりカッコ良さは必要だ。


ステラ・マッカートニーの発表した2型は販売予定はないそうだ。 プロトタイプと素材発表を兼ねたものだろう。

今後は商品化して取り入れていくようなので大変楽しみ!


今回発表したブラックのビスチェトップとパンツはリサイクルナイロンの上に『マイロ』を重ねたデザイン。 ロンドンのスタジオで制作されたもの。

https://www.wwdjapan.com/articles/1193521




https://www.wwdjapan.com/articles/1193521

https://www.wwdjapan.com/articles/1193521

未来を感じさせるディテールが素晴らしい。 

ブラック1色というところもクール。  

マットな質感はリサイクルナイロンと切替えても違和感なく見える。


この素材の実用化にあたっての問題点は強度と耐久性だそう。

もう一社 菌糸体由来の人口レザー企業

カリフォルニア州メリービル拠点

【マイコワークス  MYCOWORKS】

は「エルメス」とタイアップしてこの課題に取り組んでいるよう。

フランス、エルメスのなめし工房で仕上げることで、強度と耐久性を高めている

そうである。


エルメス!? 驚きである。  まぎれもなくレザーが主力のブランドである。


引用: https://www.wwdjapan.com/articles/1191789


人工レザー「シルヴァニア」という素材を使った『ヴィクトリア』という商品

このバッグはマチの部分に使用されているそう。 まだ全部に使用されてはいないようだ。

この商品は発売予定だそう。


ヨーロッパの企業は時代、世の中、人々の価値観変化に大変敏感である。というか気にしなと生き残れないのだと思う。  


『世界は想像以上に早く動いている』 と感じる




apollo hint box

上里 貴彦 TAKAHIKO UEZATO  ▶クリエイティブディレクター / ファッションデザイナー ・apollo design lab 代表

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